接着接合規格認証について
鉄道業界における接着接合技術の品質マネジメント規格 ― DIN 6701からEN 17460へ
この規格では、安全要件に基づく製品のクラス分類をはじめ、接着接合に携わる要員の力量や資格、設計・検証に関するガイドラインが体系的に定められており、接着接合の信頼性を確保するための中心的な役割を担ってきました。
2008年にはドイツ鉄道(Deutsche Bahn, DB)がDIN 6701を正式採用。以降、ドイツ国内の鉄道関連製造業において、接着接合およびシーリング技術を用いた製品を製造するためには、この規格の認証取得が必須条件となりました。
当初、DIN 6701に相当する規格が世界に存在しなかったことから、欧州各国の鉄道産業サプライヤーも次々と認証を取得。その結果、DIN 6701は事実上、ヨーロッパ全体で拘束力を持つ標準規格として機能していくようになりました。
この流れを受けて2022年7月には「EN 17460」 として欧州規格(EN規格)として拡大され、鉄道業界におけるヨーロッパスタンダードとして位置づけられました。
現在では、ヨーロッパのみならず、中国・韓国・日本をはじめとするアジア各国の鉄道サプライヤにも広く普及し、EN 17460は鉄道分野における接着接合技術の信頼性を支える グローバルスタンダードとしての役割を果たしています。
一般産業向け規格と国際標準化 ― DIN 2304からISO 21368へ
接着接合技術の品質・信頼性向上は、鉄道産業のみならず、自動車、航空、船舶、風力発電、電子機器など、様々な産業においてにニーズがありました。2013年に「DIN6701」をベースとして一般産業向けに用語を統一化されて発行されたものが「DIN 2304」 です。
この規格は、欧州の自動車産業や半導体産業など、特に高い信頼性が求められる分野で導入が進んでいきました。
DIN 2304の認証取得は義務ではなく、企業の自主的な判断に委ねられています。
しかし認証を取得することで、顧客に対し「接着接合製品が確立された品質マネジメントシステムに基づいて製造されている」という強力な信頼性の証明となります。
一部の欧州の自動車産業・半導体産業では、Tire0メーカーがサプライヤに品質保証体制の確立を求めるケースが多く、サプライヤに資格認証を義務づける動きも広がっています。
こうした背景からDIN 2304もドイツ国内にとどまらず、国際的なサプライチェーン全体に普及するようになりました。そして2022年には国際規格 「ISO 21368」 として制定され、グローバルスタンダードとして位置づけられるようになりました。
なお、この分野の主要な規格(DIN 2304 / DIN 6701 / EN17460 / ISO 21368)は、いずれも以下の3つの要素を共通の骨子としており、必要なスキルや活動は統一化が図られています:
・製品のクラス分類(安全要件に基づく)
・接着接合要員の力量および資格
・設計および検証に関するガイドライン
