規格について
DIN6701
DIN6701認証取得は、接着接合による製品を生産する企業は、ドイツ鉄道産業では必須。
また、欧州全体でも実質的に拘束力のある規格として機能しており、多くの企業が認証取得を目指している。2022年末にはEN規格として発行された(EN17460:2022)。
中国をはじめ、アジア各国への普及も始まっており、接着接合に特化した特殊工程管理規格の制定より、接着接合の信頼性向上に寄与している。
DIN2304
基本はDIN6701と同等だが、一般産業(自動車・航空・船舶・風力発電・電子機器など)向けに発行された接着接合の品質保持規格認証。2013年に発行されたが、現在すでに欧州各国の自動車メーカーを始め、その他の産業でこの規格を導入している。
企業認証により、顧客は接着接合された製品が最新技術に従って正しく製造されているという確信を得ることが可能となる。欧州の自動車メーカー等、顧客主導で企業認証を要求される場合がある。
ISO21368
ISO21368は接着接合における品質要件ガイドラインである。Special processである接着接合においては、ISO9001以外の要求事項がリクエストされてきた背景から、2005年に初版が制定された。その後コンポジット化技術の台頭などが背景となり、DIN2304の内容を取り込んだ改訂検討が進められ、2022年に第2版が制定された。
第2版で以下の変更が加えられた。
- 安全要件に従った接着接合クラス分類の追加
- 接着剤接合人員の能力、知識および経験の明確化
以前は欧州の鉄道、自動車サプライチェーンを中心に適用されてきたDIN規格であったが、それらを含んだ内容がISO化されたことにより今後は接着技術の専門家を認定する世界標準になっていくものと考えられている。